「頭頸部外科(とうけいぶげか)って何を診る科?」
このような疑問をお持ちになったことはありませんか?
「頭」や「頸(首)」という文字がつきますが、実は耳鼻咽喉科と切っても切れない非常に深い関係がある専門領域です。今回は、頭頸部外科が扱う病気や耳鼻咽喉科との違い、当院での精密検査や「頭頸部がん検診」について分かりやすく解説します。
1. 頭頸部(とうけいぶ)とはどこを指すの?
「頭頸部」とは、人間の身体の中で「脳と目を除いた、首から上の部分全体」を指します(※歯やあごの骨の一部は歯科・口腔外科の領域となります)。
頭頸部に含まれる主な部位
- 耳・鼻・副鼻腔・のど(咽頭・喉頭・声帯)
- 口の中(舌・口の粘膜)
- 唾液腺(耳下腺・顎下腺)
- 甲状腺・副甲状腺
- 首のリンパ節や組織

このように、頭頸部の領域は耳鼻咽喉科が日常的に診察しているエリアと完全に重なっています。
2. 耳鼻咽喉科と頭頸部外科の違いは?
結論から言うと、「頭頸部外科は、耳鼻咽喉科の中でも特に『首から上の腫瘍・がん・手術』を専門に扱う高度な分野」です。
耳鼻咽喉科は風邪や中耳炎、アレルギー性鼻炎などの内科的な治療から幅広く対応します。その中で、特に「首のしこり」「甲状腺の腫瘍」「口・のど・鼻のがん(頭頸部がん)」などの診断や手術・治療を専門的に行う診療科が頭頸部外科です。大学病院や総合病院では「耳鼻咽喉科・頭頸部外科」と掲げられていることが多く、両者は切り離せない関係にあります。
3. 頭頸部外科が扱う主な病気
頭頸部外科では、良性の腫瘍から悪性腫瘍(がん)、首の感染症まで幅広い病気を診療します。




【早期発見のために】頭頸部がん セルフチェックリスト
頭頸部がんは初期段階では自覚症状が乏しく、一般的な健康診断の項目に含まれていないことが多いため、ご自身による定期的なチェックと早期発見がとても大切です。当てはまる項目がないかチェックしてみましょう。
🍺 生活習慣・体質チェック
※以下のような体質や習慣をお持ちの方は、頭頸部がんになりやすいとされています。
- ☐ お酒を飲むとすぐ顔が赤くなる(フラッシャー)
- ☐ お酒を毎日1.5合以上飲む(ビール中瓶1.5本、ワイン1/2本程度)
- ☐ タバコを吸う
- ☐ これまでに頭頸部がん、食道がん、胃がんになったことがある
🔍 部位別の症状チェック(こんな症状はありませんか?)
【口の中】
- ☐ 口の中(舌など)にしこりがある/触ると痛い状態が1ヶ月以上続いている
- ☐ 1ヶ月以上治らない口内炎がある
【のど】
- ☐ 風邪や声の出し過ぎがないのに、1ヶ月以上「声のかすれ」が続いている
- ☐ のどの違和感が1ヶ月以上続き、酸っぱいものや辛いものがしみる
- ☐ タンにしばしば血が混ざる
【首・あご・顔周り】
- ☐ 首にあごの下にしこりや腫れがある
- ☐ 頬がはれてきて、1ヶ月以上症状が続いている
【鼻・その他】
- ☐ 片側の鼻からよく出血する、またはにおいのある鼻血を繰り返す
- ☐ 物が二重に見える/呼吸が苦しい、息がくさい
【チェック結果とご案内】
生活習慣や体質チェックに当てはまる方:
頭頸部がんのリスクが高まる要因をお持ちです。早期発見のため、一度「頭頸部がん検診」の受診をご検討ください。
部位別の症状チェックに1つでも当てはまる方:
症状が持続している場合は放置せず、早めに耳鼻咽喉科・頭頸部外科までご相談・ご受診ください。
4. かめじま耳・鼻・のどクリニックの専門性と検査設備
頭頸部エリアは「食べる」「話す」「息をする」「見た目」に関わる大切な機能が集中しています。
私は、耳鼻咽喉科医としてはもちろん、頭頸部外科医として長年がん治療や首の腫瘍手術、精査に携わってきた専門家です。その高度な診療経験を活かし、当院では基幹病院レベルの精密検査をスピーディーに行える環境を整えています。
① 超音波(エコー)検査
首のしこり、甲状腺、唾液腺などの軟部組織の状態を、痛みがなくリアルタイムで高精度に観察・評価します。
② 極細の軟性内視鏡(ファイバー)
痛みに配慮した非常に細い内視鏡で、のどや声帯の奥、鼻の隅々まで負担なく観察します。
③ コーンビームCT(画像診断)
骨や副鼻腔の立体的な評価に非常に優れており、大きな病院に行かなくてもその日のうちに精密撮影が可能です。(※軟部組織の正確な評価には限界があります。)
💡 症状がない方も大歓迎!「頭頸部がん検診」を実施しています
「特に自覚症状はないけれど、お酒やタバコをよく嗜むので心配」「身内に頭頸部がんの方がいて予防的に調べておきたい」という方向けに、当院では自費での「頭頸部がん検診」も受け付けております。
専門医の目と先進設備による徹底的なスクリーニングで、安心のお手伝いをいたします。お気軽にご相談ください。
5. 知っておきたいよくある質問(FAQ)
風邪による喉頭炎であれば一時的ですが、長引く声のかすれは「声帯ポリープ」や、声帯にできる「喉頭がん」の初期症状の可能性があります。痛みがなくても、早めに声帯の動きや粘膜の状態を確認することが大切です。
多くは鼻入口部の粘膜からの出血ですが、特に「片側だけから頻繁に出る」「止まりにくい」「ドロっとした血混じりの鼻水が出る」といった場合は、副鼻腔の炎症や、稀に鼻の中にできる腫瘍(副鼻腔がんなど)が隠れていることがあります。
リンパ節の炎症は痛みを伴うことが多いですが、腫瘍や甲状腺の病気、リンパ腫などは「痛まないしこり」として現れることがあります。「痛くないから大丈夫」と自己判断せず、エコー検査などで早めに確認することが大切です。
通常の口内炎は1〜2週間程度で自然に治りますが、2週間以上治らない口内炎やしこりは、舌がんなどの初期症状である可能性があります。内視鏡や触診でしっかり観察させていただきます。
「頭」という文字がつきますが、脳そのものの病気(脳梗塞や脳腫瘍など)は脳神経外科・脳神経内科の領域です。ただし、耳や副鼻腔(ちくのう症)が原因の頭痛・めまいも多いため、まずは耳鼻咽喉科でお気軽にご相談ください。